玄関土間の洗い出し仕上げとは?実例とメリット・デメリットを紹介
玄関は、家族や来客を迎え入れる「家の顔」となる空間。使い勝手はもちろんですが、デザイン性にもこだわりたいですよね。玄関の床面はタイルや土間を施工することが多いですが、土間にはさまざまな仕上げ方法があります。今回紹介する洗い出しは、玄関を味わい深いデザインに仕上げることができる手法です。メリット・デメリットを理解し、おしゃれな洗い出し仕上げの土間玄関を採用しましょう。
目次
土間の仕上げ方法「洗い出し」とは?
洗い出しとは、モルタルの表面に砂利が浮き上がって見えるような仕上げ方法です。モルタルに砂利を入れて混ぜ、一般的なコンクリート敷きと同様に金ゴテで抑えた後、表面の砂利を洗って浮き出るように仕上げます。採用する砂利の大きさや色にって、デザイン性が大きく異なる点が特徴です。手作業で砂利を洗い出していくため、左官屋さんの腕前によって仕上がりが大きく左右されます。そのため、洗い出し仕上げの施工実績が多い会社にお願いすることが、美しく仕上げるためのポイントと言えるでしょう。玄関の他にもアプローチなどに採用されることも多いです。
洗い出し仕上げの他にも、次のような土間の仕上げ方があります。
・金ゴテ仕上げ:コテで表面をツルツルに仕上げるスタンダードな方法。
・刷毛ひき仕上げ:コテで仕上げた後に刷毛を使ってザラザラに仕上げる方法。
・カラーモルタル:顔料を混ぜて色を付けたモルタルを施工する方法。
・スタンプコンクリート:モルタルの上に型を押し付けて石やレンガなどの模様を作る方法。
それぞれデザイン性や使い心地に違いがあるため、好みのものを探してみてくださいね。
土間が洗い出し仕上げのおしゃれな建築実例
土間に洗い出し仕上げを採用して家のおしゃれな建築実例を紹介します。
実例① 洗い出しの土間 × 和室
洗い出しの土間玄関のすぐ横に和室を採用した事例です。洗い出し仕上げは「和」との相性が良いため、趣のある空間に仕上がります。洗い出しを際立たせるため、土間と土台の間にある巾木を黒モルタルで仕上げている点もデザインのポイントです。
実例② 洗い出しの土間 × リビング
建築実例|自然の恵みで爽やかに暮らす家「雨楽な家・爽」磐田市O様邸
洗い出しの土間とリビングを隣接させた間取りです。砂利が見える洗い出しの土間と天然木を多く取り入れた内装がマッチした、素敵な空間です。洗い出しの土間はナチュラルテイストの家とも相性が良いです。シンプルな金ゴテ仕上げの土間よりもデザインをプラスしたい場合は、洗い出しの土間を取り入れてみてくださいね。
実例③ 旅館のような佇まいの玄関土間
障子の引き戸や襖と組み合わせた洗い出しの玄関土間です。少し大きめな砂利を採用することで、高級感のある雰囲気に仕上げることができます。玄関に厚みのある天然木の踏み板を取り入れた点もデザインのポイント。まるで高級旅館のような佇まいの玄関が完成しました。
♠ 使い勝手の良い土間空間を作る方法にについてはこちらのコラムで解説しております。ぜひチェックしてみてくださいね。
コラム 使い勝手の良い土間収納がある間取り|ベストな位置・広さ・動線は?
洗い出し仕上げの土間にするメリット
土間を洗い出し仕上げにするメリットを紹介します。
土間のデザイン性が高まり高級感が出る
洗い出し仕上げは、砂利によって印象が変わる点が魅力的です。小さな豆砂利を採用すると繊細さが際立ち、大きな砂利は存在感のあるデザインに仕上がります。高級感のある見た目なので、料亭や旅館の玄関やアプローチにも多く採用されています。趣のある意匠的な建物にしたいという方に、洗い出し仕上げの玄関土間はぴったりでしょう。
凹凸ができるので滑りにくくなる
洗い出しは、表面に砂利を浮き出させるため凹凸のある仕上がりになります。そのため、ツルツルの金ゴテ仕上げと比べて滑りにくく、安全性が高いです。小さなお子様や高齢者がいるご家庭でも安心して採用できるでしょう。
砂利が散らばっているため汚れが目立ちにくい
土間の玄関にする場合、シミなどの汚れが気になるという方も多いでしょう。洗い出しなら、モルタルの見える部分が少なくなるため、汚れがわかりにくいです。ただし、白色の大き目な砂利などは汚れが目立つこともあります。汚れを目立たせたくないなら、黒系の小さな豆砂利がおすすめです。
さまざまなテイストの家と相性が良い
洗い出しは砂利の種類や色を選べるため、意外とどんなテイストの家にも合います。和風や和モダンテイストとの相性が抜群ですが、イエローやオレンジ系の砂利を取り入れれば、洋風の家でも問題なく取り入れることが可能です。カラーモルタルを採用し、ベースの色を変更してもおしゃれでしょう。自分のイメージに合う砂利の種類やモルタルの色を選び、デザイン性の高い洗い出しの土間を作ってもらってくださいね。
洗い出し仕上げの土間にするデメリット
土間を洗い出し仕上げにするデメリットを紹介します。
費用がかかる
洗い出しは、一般的なモルタル仕上げより費用がかかります。なぜなら、モルタルに混ぜ込む砂利の材料費がかかりますし、表面を洗い出すのに手間がかかるからです。また、砂利の種類によっても大きく金額が異なります。費用とデザイン性のバランスを考えながら、採用を検討してみてくださいね。
施工できる職人が限られ、仕上がりに差が出やすい
洗い出しは高い技術力が必要なため、施工できる職人が限られます。いつもは金ゴテ仕上げしかやっていない左官屋さんの場合、仕上がりがいまいちになる可能性があります。具体的には、砂利が埋まりすぎて見栄えが悪くなったり、逆に砂利が露出しすぎてポロポロと取れてしまったりするなどの内容です。また、モルタルが固まる前の絶妙なタイミングで洗い出さなければならず、実績の多い職人さんでなければ見極めが難しいケースも少なくありません。タイミングが早いと砂利が浮いて、水圧で動いてしまいます。逆にタイミングが遅いと、きれいに砂利が露出しません。洗い出し仕上げを採用する場合が、施工実績がおおい職人さんにお願いしましょう。
砂利の隙間に砂などが溜まりやすい
洗い出しは表面に砂利が露出しているので凹凸があります。そのため、砂利のない凹んだ部分に、砂ぼこりなどが溜まりやすい点はデメリットです。掃き掃除をすれば問題ありませんが、表面がツルツルのコテ仕上げと仕上げると、掃除のしにくさを感じるかもしれません。掃除を楽にしたい方は、小さな豆砂利を採用して凹凸がなるべく少なくすることをおすすめします。
砂利が取れることがある
洗い出し仕上げは、生活している中でポロポロと砂利が取れる可能性があります。砂利が取れる原因は、施工不良と経年劣化の2つです。施工不良によって砂利を露出しすぎてしまうと、少し擦れただけでも取れてしまいます。また、施工がしっかりしていても経年劣化によってモルタルにヒビが入ることで、砂利が取れるケースも少なくありません。洗い出し仕上げを採用する際に避けられないデメリットですので覚えておきましょう。
洗い出しの土間で趣のあるおしゃれな玄関に
洗い出しの玄関を採用すると玄関のデザイン性が上がり、趣のある空間に仕上げることができます。また、砂利が露出することで滑りにくくなるため、お子様が走り回っても安心です。汚れが目立ちにくい点も多いなメリットでしょう。ただし、洗い出し仕上げにはさまざまなデメリットもあります。施工が慣れている業者さんにお願いし、美しく仕上げてもらいましょう。
田畑工事では、土間は洗い出し仕上げを標準仕様に採用しています。天然木をふんだんに使った内装と、高級感のある洗い出し仕上げの土間を組み合わせた家を作っています。もちろん施工実績が豊富な職人さんにお願いしているため質も高いです。洗い出し仕上げが気になる方や詳しく知りたい方は、ぜひお気軽にお問い合わせくださいね。
浜松で家族の暮らしに寄り添った自然素材の家を造る工務店
田畑工事は、「ご家族が生涯を通じて、健康・快適に暮らせる住まい」という創業以来の想いを基に、家づくりをしています。
自然素材で建てられた家、一世代だけで終わる家ではなく、子や孫の代まで、心地よく暮らせる家、家族それぞれのライフスタイルに寄り添った家をお考えであれば、ぜひ田畑工事のモデルハウス見学や家づくり相談においでください。