【軒のない家】とは?10年後はどうなる?メリット・デメリットなど7つの特徴を解説
近年、シンプルな外観が特徴的な「軒のない家」を見かけることがあります。
軒のない家はすっきりした印象を受ける一方で、太陽光や雨が壁に直接当たることから、問題が起きそうにも感じてしまいます。
本記事では、軒のない家がどのような特徴を持つのか解説します。
軒のない家の特徴から見えてくる「軒のある家」の重要性については、こちらをご覧ください。
>関連記事:軒のある家の建築実例|軒が外観デザインにもたらすメリットとは
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そもそも「軒」とは?どんな機能を持っているの?
日本の住宅で設けられることの多い「軒」は、そもそもどのような機能を持っているのでしょうか。
軒とは、家の屋根が壁から突き出している部分を指します。
軒があることで、夏の強い日差しを避けられるとともに、雨が直接降り込むことを防ぐなど、実用面で大きなメリットを持ちます。
また、軒がしっかり出た家は、日本の伝統的な住まいらしい重厚感を持ち、優れた外観の住まいになります。
軒のない家が増えている理由は?
近年、キューブ型・真四角の家に代表されるように、軒のない家が増えている印象を受けます。
軒のない家が増加する明確な理由は分かりませんが、主には土地を有効活用しようとする考え方、そして独特のデザインが流行している点が、軒のない家の増加につながっていると考えられます。
大きな軒を設けると、軒を支える柱や基礎が必要となります。
一方で軒がなければ建物をコンパクトに仕上げられるため、限られた土地を最大限活用できるようになります。
また、軒のない家はシンプルモダンな外観になることから、シンプルさ・スタイリッシュさを好む人にとって好ましいデザインになることも、軒のない家が増えている理由といえるでしょう。
「軒のない家」3つのメリット
こうした軒のない家は、実現することで以下の3つのメリットを獲得できます。
- (1)シンプルモダンな外観デザインになる
- (2)凹凸が少なく建築費用を下げられる
- (3)冬場の太陽光を室内に取り込みやすい
(1)シンプルモダンな外観デザインになる
軒が出ておらず、屋根から壁にストンと落ちる外観デザインはシンプル・スタイリッシュで、独特のデザインになります。
こうした外観を好む方にとっては、家に軒をつけないことは積極的に選択するべきデザインといえるでしょう。
(2)凹凸が少なく建築費用を下げられる
先述したとおり、軒のない家は軒のある家と比較して、屋根の一部や柱、基礎といった箇所を節約できるため、建築費用を下げられるメリットがあります。
また、凹凸が少ないことから、建築資材を効率的に利用できるとともに職人の手間も少なく、この点も建築費用の節約につながります。
(3)冬場の太陽光を室内に取り込みやすい
冬場は室内へと太陽光を取り込みたくなりますが、軒のない家であれば、屋根で遮られることなく家の奥の方まで太陽光が届けられるでしょう。
少しでも家の中を温めたい冬場は、太陽光の日差しが多くなることにメリットを感じるでしょう。
室内が明るくなり、照明の費用を節約できる点も嬉しい点です。
「軒のない家」4つのデメリット
一方で軒のない家を建てる場合、デメリットを感じるケースがある点には注意が必要です。
具体的にデメリットを感じるのは、以下の4つの点です。
- (1)夏の太陽光が室内に直接入ってくる
- (2)雨が外壁に直接当たり汚れやすい・劣化しやすい
- (3)雨が外壁に直接当たり雨漏りの可能性が高まる
- (4)洗濯など家事を行いづらい
(1)夏の太陽光が室内に直接入ってくる
冬場はぬくもりを感じられる軒のない家ですが、一転して夏場になると太陽光を遮るものがないため暑さを感じる原因になります。
近年は複層ガラスやLow-eガラスといった断熱・遮熱性能の高い窓が販売されていますが、それでも直射日光を受ける部分では、暑さを感じるでしょう。
>施工事例:大きな軒とどこか懐かしい広い土間のある家(浜松市北区)
一方でしっかり軒の出た家であれば、夏場の日差しを適切に遮り暑い時期でも室内を涼しく保てるでしょう。
(2)雨・太陽光が外壁に直接当たり汚れやすい・劣化しやすい
軒のない家では、外壁に直接雨が当たることから、外壁が汚れやすい点もデメリットに挙げられます。
特に換気扇のフードやテレビのアンテナといった突起物がある箇所のまわりでは、雨に含まれる汚れが集中しやすく汚れが目立ちます。
また、外壁に雨・太陽光が直接当たることから、外壁および防水用のシーリングが劣化を起こしやすい点もデメリットといえます。
(3)雨が外壁に直接当たり雨漏りの可能性が高まる
雨が外壁に直接当たることは、雨漏りの可能性が高まることにもつながります。
雨が壁の中に侵入する経路は、壁の亀裂、窓枠と壁のすき間、壁と屋根のすき間といった、建材の境目です。
軒のある家であれば、いずれも屋根に守られるため雨漏りの危険性は少ないですが、軒のない家では雨漏りの可能性は避けられません。
軒のない家では、こうした理由で定期的なメンテナンスは欠かせません。
(4)洗濯など家事を行いづらい
軒のない家では、雨が降れば外に干していた洗濯物が濡れてしまいます。
また、洗濯物以外にも靴や自転車など、外に一時的に置いていたものが濡れる可能性があり、効率的な家事を行えない可能性があります。
一方で軒がある家では、軒の下で洗濯物を干したり、物置を置いたり、子どもが遊んだりと様々な場面で有効に活用できるでしょう。
軒のない家についてのQ&A
記事の終わりに、軒のない家について、よく聞かれる疑問を紹介・回答します。
軒のない家で耐久性を高める方法は?ガルバリウムの使用がおすすめ?
A. 軒のない家では、外壁が雨や太陽光にさらされるため、ガルバリウム鋼板のような耐久性の高い素材が勧められます。
耐久性を高める主な方法のひとつは、耐久性の高い外壁を使用することです。
具体的には、ガルバリウム鋼板のように、耐水性が高い材料を使用することが勧められます。
また、耐候性にも優れることが知られており、軒のない家に使用する外壁材として、ガルバリウム鋼板はおすすめです。
軒のない家は10年後どうなるの?
A. 適切なメンテナンスを行えば、10年後も綺麗な外壁を保てるでしょう。
10年後の姿は、適切なメンテナンスを行う場合と行わない場合とで結果が異なるものとなります。
メンテナンスを行わなければ、雨だれや外壁の亀裂といった問題が生じる可能性が高く、一方で適切にメンテナンスを行えば10年後も綺麗な状態を保てます。
軒のない家を設けるなら、定期的なメンテナンスの実施は欠かせません。
軒を付けるとしたらどのくらいの長さが適切?
A. 軒の長さは90cmを基準にして増減させることをおすすめします。
ここまでの解説から、家を長持ちさせるためには軒を設けることが勧められます。
では、一体どの程度の長さを設ければよいのでしょうか。
結論から述べると、軒の長さは90cmを基準にして増減させることをおすすめします。
90cmの軒の出があれば、夏場の日差しを遮ることができ、一方で冬場の日差しは取り込むことができるからです。
洗濯物を完全に濡らさないように、といった目的がある場合はさらに長く、逆にもっと冬場の日差しを取り込みたい場合は短く、と調節を考えてみましょう。
まとめ│軒の必要性を再確認しよう
>施工事例:支えあって楽しく仲良く。平屋の二世帯住宅(磐田市)
軒のない家を建てる場合のメリット・デメリットや、よく聞きかれる質問への回答を紹介しました。
軒のない家は建築費用を抑えられるとともに、シンプルモダンな外観が魅力的な家です。
一方で雨や太陽光が直接建物に当たるため、家の耐久性を考える上では課題が残る建て方といえるでしょう。
外観のデザイン上、どうしても軒のない家を建てたい、という場合を除いて、しっかり軒をとった家を建てることをおすすめします。
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