
こんにちは。田畑工事株式会社社長の田畑隆康です。
「田畑工事の木の家づくり相談会」ってどんな風?と思っていらっしゃる方に、相談会の中身や私の日頃の思いなどをお伝えしたいと思います。相談会でお会いする前に「お会いしている気持ち」でお話しますので、どうぞよろしくお願いいたします。…….続きを読む
ところで、田畑工事では営業担当がおりませんので、積極的な売り込みはしておりません。相談会といっても一対一の対話になりますから、やっぱり私とお話することになります。ぜひ私の顔を覚えておいてくださいね(笑)。
お客様とのお話は、いつも1時間半から2時間くらいで終わるようにしています。長すぎますと、なんだか事情聴取のようになってしまいます。ですから、私もヒヤリングしすぎないように心がけて、なるべくリラックスしてもらえるようにと思っています。逆の立場になれば私だって、初めて訪問するところや人に対して警戒してしまいますから。でも、私と木の家づくりのあれこれをお話するなかで、お客様の家への思いを整理するお手伝いができたらうれしく思います。
家づくり相談会は「家に関しての雑談会みたいなもの」と考えてもらえたらと思います。力を入れすぎず話をして、実際に何をやりたいか?どんな家にしたいか?という思いへと導いていくようなイメージといったらいいでしょうか。

たとえば、これまで田畑工事でつくった家の100分の1の模型が置いてありますので、それらを見ながら、どんな感じの家がお好きかも聞いています。いろんな資料や建材のサンプルもありますので、実際に見ていただくのもいいことですね。家づくりにおいては、考えが未整理でくしゃくしゃのまま図面に突入すると大変なので、相談会という機会も、ある程度絞り込んでいく一つの過程と考えるといいかもしれません。
いろんな話をしながらも、まずは、テーマと優先順位を決めていくこと。これは大事なポイントと思っています。たとえば「木の香る子育ての住宅」とか「みんなが快適な二世帯住宅」とか。テーマを決めて話すと、話が広がりすぎたときに立ち戻ることもできます。また、たとえば間取りのご要望もいくつかあげていただき、もし1〜10まであるとしたら、優先順位を考えて順番をつけ、最低でも1番から5番まではクリアできる家をつくりましょうね、などとお話します。
さて、弊社の家づくり相談会にお越しくださる方は、「雨楽な家」にご興味のある方が多いと思います。私自身も雨楽な家のコンセプトに共感して、雨楽な家をおすすめしているわけなんですが、相談会では、雨楽な家のコンセプトを5つくらいあげてご説明します。
そのコンセプトのなかには、「健康」、「素材」、「大空間」、「構造美」、「職人の手仕事」などがありまして、これらは弊社でつくる「家」には必ず入れますからね、とお話します。そこでお客様から「構造美って何ですか?」と聞かれたら、写真を見ていただいて「この構造、美しいと思いませんか?」と私からもお聞きします。それを見て、「うーん、何とも思わん!」と思う人は多分弊社に来ていただいてもうまくいきません(笑)。今のところ、写真を見て「美しくない」と言った人はどなたもいらっしゃいませんが!
さらに「職人の手仕事とは何ですか?」と聞かれたら、「細かいことなんですけど・・」といろいろとお話します。弊社でつくる家は「土間」のある家が多いのですが、土間も職人の手仕事が光る場所の一つ。職人の腕によって仕上がりが違うということをお伝えします。

大空間のご説明では「なるべくシンプルな間取りで空間を大きく使えるように」といったことや、勾配天井の話などもします。健康は「接着剤などを全く使わないわけじゃないけど極力少なくしている」といったことも話題にします。
少し話はそれますが、パッシブエアコン(全館空調)について関心をお持ちの方も多くいらっしゃいます。でも私からは「雨楽な家」はそのままで十分ですよ、とお話します。雨楽な家がパッシブデザインといいますか(笑)。弊社では自然の光や風を活かし、なるべく機械設備を使わない家を目指したいと思っています。それでも「やっぱりパッシブエアコンが・・・」とおっしゃる方には、「雨楽な家はいい家だけどもさらに補いたいということであれば、全館空調もありですね」とお話します。
雨楽な家は、スギやヒノキなど国産の無垢材をたくさん使う、いわば木の家です。漆喰や和紙、瓦などの自然素材も多用します。先ほどお話した土間や、深い軒の出、縁側など昔の日本の家の良さも大切にしています。最近は若い人、20代でもこの日本の家の良さを感じるような家、しかも平屋を望む方が多くなりました。そんな時代が来るとは思っていませんでしたが、木の家に憧れる人が確かにいらっしゃるのはうれしいことと思います。
田畑工事では全邸「長期優良住宅」の認定を取るようにしています。それは補助金目当てではなく、なるべく長く住んでもらいたいというのが理由であり、私の願いです。
長く住んでいただくためには、せっかくの「国の基準」を最低限クリアしないといけないと考えています。劣化対策とか維持管理の容易性は大事なことです。建てた後、定期点検もきちんと行い、定期的に補修をしていただく。たとえこの先、私が死んだ後も書類を持って行っていただければどこの工務店でも対応できるように、きちんと書式を残します。ちなみに雨楽な家の場合は耐震等級3でやるようにしています。
100年持つ住宅なんて必要ない、と思う方もいらっしゃるかもしれません。でも、家が100年持つのであればお子さんに引き継げるし、財産としての価値もあります。お子さんが住まなければ貸せばいいし、売るにしても高く売れると思います。
家は長く持つようにした方がいい、というのが私の持論です。木の家なら長く住めば、木が飴色になり風合いも変化してきて、すごくいい感じになります。ですから、関心のある方、雨楽な家に決めようとしていらっしゃる方には、建てて10年が経過した雨楽な家のモデルハウスを見に行ってくださるようにおすすめしています。場所は愛知県北名古屋市ですが、どうしても見ていただきたいんです。もちろん、古い神社仏閣に拝観料まで払って見たくない、と思うようなタイプの方にはそもそも不要なことですが(笑)。
10年経過した雨楽な家は、新築時のヒノキやスギが白々としている家のイメージとは異なり、木の色や風合いに落ち着きが出てきます。その雰囲気や風情がいいな〜と思う人にこそ、雨楽な家でゆたかな毎日を過ごしていただきたいと願っています。一般の家よりも人の出入りが多いモデルハウスですから、どんな風に経年変化していくかという実例としては大変有効だと思います。 つい、雨楽な家の話ばかりになりました。
話を少し戻して、お客様のご相談内容として何が多いか・・といいますと、それは、やはり間取りと金額です。
間取りの話もしながら総予算の話もし、総予算の話をしながら間取りの話もするというのが弊社のスタイルと思ってください。まず間取りを検討して、次に性能、次に・・・、次に総予算というやり方をしていますと、途中で二転三転しますので、失敗したり問題が出たりします。ですので、私は経験上、全部同時進行でお話を進めるのがいいと考えています。土地から購入という方には、土地の予算も総予算に入れてしまい、そこから話を進めていきます。
私は他の工務店さんの方法を知りませんので何とも言えないのですが、このように同時に話をしていける人に相談をしないと、堂々巡りになりがちです。たとえば設計事務所さんと話をすると、間取りのことだけでものすごく時間がかかり、結局、予算が合わなかったりするのではないでしょうか。また、打ち合わせもその都度なるべく短時間でしていくのがいいですね。4時間も5時間も続けますとお互いに頭がぼ〜っとします(笑)

弊社の場合は、事務所でお話するときはホワイトボードをよく使います。打ち合わせ段階に入りますと、ホワイトボードが記録簿がわり。打ち合わせ終了後は、お施主様がホワイトボードを写メされています。写メされない方には弊社でパシャリと撮ってメールでお送りしています。記録があれば、記憶が曖昧になったときに確認ができて、お互いに助かります。
相談会でお会いしたのち、完成見学会などの機会もありますし、弊社で建てた新築物件や、実際に暮らして何年も経ったというお宅にご案内もできます。「実物を見たいですか?」とお聞きすると、大抵の方は「見たい!」とおっしゃいますので。
これは住んでいる人に実情を聞ける機会でもありますので、何を聞きたいかをあらかじめ教えていただきます。平屋、二世帯住宅、パッシブエアコンなどさまざまですが、たとえばパッシブエアコンが見たいという方には、パッシブエアコンを使っているお宅にお客様の目の前で「今度、家を見に行ってもいいですか?」を電話でお願いして、その時に「良いところだけでなく、悪いところも言っていいからね〜」と伝えています(笑)。嘘のない話を聞かないと意味がありませんから!
余談ですが、このように検討中の時に入居者宅を見学した経験を持たれると、次にご自身の家が見学される立場になったとき、「見学されるのは嫌です」とはあまりおっしゃらない。それは弊社としてはうれしいことだなあといつも感謝しています。
ところで、相談会ではインテリアについても、お客様からよく相談を受けます。そういう時は「ウチの場合はナチュラル系しかしていないんです!」と初めにはっきりと言い切っています。写真などを見ていただいて、「こういう雰囲気、嫌ですか?」と。これも嫌という人は10人に1人もいないくらいですが(笑)。
何でも先に、嫌かどうかをお聞きしてしまうのは私のクセかもしれません。話があちこち飛んで恐縮ですが(笑)、家づくりへの思いも含めてお話してみました。こんな風に相談会でお会いして、お話ししたりお聞きしたり・・・。ご縁があれば、何度もお会いしていくことになります。
木の家づくりを考えていらっしゃる方々と、木の家づくり相談会でお会いできる日を心からお待ちしています。 閉じる